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俳優であり歌手である玉木宏を心の底から愛する者のブログです(*´▽`*) でも、雑談もあります★ 老若男女どんな人でもお気軽に声をかけてくださいねヾ(=^▽^=)ノ

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[心](自作小説)

 
ペロが教えてくれた。
先生が教えてくれた。
動物にも心があると…
 
 あることをきっかけに大の動物嫌いだった私は一頭の子牛と心が通じることができた。
 
 それは中学二年生の夏のこと。夏休み中に職場体験で牧場に五日間泊まりがけで行くことになった。
「動物嫌いの私に牧場に行かせてレポートまで書かせるなんてありえない!」
牧場に行かなければならなくなったのは担任の尾原先生のせいだ。なぜ私が動物嫌いなことを知りながら、牧場に行かせるのかと聞くと先生はただ「分かって欲しいから」と答えるだけだった。そして憂鬱な夏休みが始まった。
 
 「ついにこの日が…」
私は重い気持ちで牧場に向かった。着くとすぐジャージに着替え、軍手を持って牛舎に向かった。ここは牧場と言っても、とても小さな所で牧草地がない。だから宿泊する所から牛舎はすごく近い。
「やだなぁ~。外に出ただけでも変な臭いがするよ…」
牛舎の前では牧場に住み込んでいる獣医さんが待っている。そして、私のために牛のことやこの牧場の事を毎日話してくれた。始めは気になって話しに集中できなかった臭いは時が経つにつれて慣れたきたが…牛の存在にはなかなか慣れられなかった。
三日目の朝。獣医さんは私に生ぬるいミルクの入った大きなほ乳瓶のようなものを渡した。
「あの、これなんですか?」
「明日、明後日とペロにミルクをやって欲しいんだ。」
獣医さんの指さす方向には生後4ヶ月の真っ黒な子牛がいた。
「え!?」
「牛、怖いんだろ?でもそろそろ慣れないと駄目だよ。小さいのなら大丈夫だろ。」
獣医さんは明るく笑いながら私の背中をポンと叩いた。私はしばらくほ乳瓶を持ったまま動けないでいた。獣医さんのほらほらと言う声に気づき、ペロに近づいた。ペロは凄く興奮している。ミルクなんてとてもあげられない。獣医さんが私の手をつかんで一緒にミルクを与えてくれた。途中からは私一人に任された。凄 い勢いでペロはミルクを飲み干した。空になってももっとよこせと言わんばかりにほ乳瓶に吸い付いたまま頭を揺さぶる。困っていると獣医さんは乳牛の背中をなでながらもう取り上げてやっていいぞと言う。
「離れないんですよ!」
「離すんだよ。」
獣医さんはあわてふためく私の手をつかんでいとも簡単にペロの口からほ乳瓶を取り上げた。それから獣医さんは言った。
「今日はずっとその子の側にいていいから。」
「え!?」
聞き返す私をそっちのけに獣医さんはさっさと仕事を始めた。今日の獣医さんはいつになく冷たい。私は深くため息をつきながらペロを見た。ペロは口の周りに付いたミルクをなめながら澄んだ大きな瞳で見つめてきた。可愛い。可愛いけど怖い。それでも私は勇気を振り絞って頭の方へ手を近づけてみた。と、その瞬間 、ざらざらとした舌が私の手を力強く舐めた。私は思わず声を上げるとペロはそれに驚いてびくんと跳ね上がった。
「舐められたかい?」
やっと獣医さんが微笑んでくれた。
「なでてやってごらん。」
獣医さんにも言われて今度こそはと何度も手を伸ばしてみるが、同じ事を繰り返すばかりだった。でも、繰り返している内に私はペロに大丈夫だよと語りかけていた。次の日はそれが通じたのか、なでることができた。すると獣医さんが仕事の手を止め近づいてきた。そして、通じたじゃないかと連呼した。
「心が通じたんだよ!」
「心?…」
動物に心があるなんてこれまで考えたこともなかった。
「動物にも心があるんだよ。だから、言葉が通じなくてもこっちが伝えようとすれば、動物の方も分かってくれるんだよ。」
「あっ…」
私はこの時気づいたのだった。尾原先生が言っていた「分かって欲しい」と言うのはこのことだったんだと…
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  1. 2010/03/19(金) 00:47:13|
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